オリーブオイル石けん サラダ オリーブオイル工場オリーブの林

背景がわかる良質な商品をお届けします。

パレスチナ・オリーブでは、素材の質や効能はもちろん、
誰が、どんな状況で、どういう方法で作ったものなのかといった製造背景をクリアにしています。
だから安心。だから美味しい。だから、自信を持ってオススメできる商品ばかりです。

生産者パートナーと協力し、ともに生きる
誰もが大切にされる社会を作っていきます。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ北部のガリラヤ地方(1948年からイスラエル領)のオリーブオイルなどの食品、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)ナーブルスのオリーブ石けん、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)イドナ村の刺繍製品を扱っています。

実際に食べて使って納得したものを輸入し、現地を訪問・交流しながら活動しています。

イベント

15号(2004年6月28日発行)
  1. シンディアナニュース(7月入荷のオリーブオイルと石けんのリニューアルについて)

    「ガリラヤのシンディアナ」ニュース

    今年のオリーブの花は終わり、小さな実がついています。この実がゆっくり成熟し11月頃に収穫となります。

    6月末、専門家を招いて、シンディアナの農家と ワーカーズ・アドバイス・センター(イスラエル内のパレスチナ人労働者のための団体)の登録者でオリーブの木を所有している人たちに、オリーブオイル講習会を開くそうです。失業者に高品質のオリーブオイルを得るための栽培・収穫方法を教えるというのは新しい取り組みです。講習会の様子は次号『ぜいとぅーん』で報告しますのでお楽しみに。

    伝統的に、パレスチナの村に住む人たちはオリーブの木を所有しています。多くの農地が没収され、水の配分・利用が制限される中で、農業から収入を得ることは難しく、人々は建設業や工場労働にに携わってきました。いま、その仕事をタイや中国からの外国人労働者が担い、パレスチナ人の失業が増えています。そこで改めて収入源としてのオリーブが見直されたわけです。しかし、いいオリーブオイルを作っても売り先がなくては仕方ありません。おいしいオリーブオイルを継続して買って下さる皆さまがいて、シンディアナの活動が成り立っています。

    1.7月にオリーブオイルが入荷します

    今回入荷するものは、ナザレの南にあるイクサール村で2003年11月に収穫され、イクサール村のオリーブオイル工場で低温圧搾されました。地元スーリ種のエクストラヴァージン・オリーブオイルです。

    2.ボトルのふたが変わります

    ご要望の多かった油切りの注ぎ口が付きました。

    3.石けんがリニューアルします

    〜石けんの色〜
    次回の石けんの色は緑がかっています。ナーブルスで作っている、このオリーブ石けんは、香料や着色料その他をいっさい加えず、オリーブオイルと苛性ソーダ、水のみで作られています。このため、オリーブオイルの色や成分、石けん素地の微妙な配合で色が変わります。石けんを長く愛用して下さっている皆さまは、年によって、クリーム色が濃かったり薄かったり、と感じていらっしゃるかもしれません。オリーブオイルは、同じ種類の木であっても、場所によって、年によって微妙に風味が異なります。さっぱりしっとりの使い心地は変わりません。石けんの泡立ちがしっかりとしました。

    〜石けんの重量〜
    標準重量が130gから120gに変更になります。申し訳ありませんが、仕入れ価格に変更はないため、販売価格も据え置きになりますがご了承下さい。

    〜開けてびっくり?〜
    今までの石けんの刻印はシンディアナのSの文字でしたが、今度からオリーブの素敵なマークが入りました。ただ、ラベルでその素敵なマークが隠れてしまっています。包装をはがしたときに、忘れずに眺めてお楽しみ下さい。

    現在出荷中の石けんが終了次第、順次新しい石けんに切り替わります。

    ナーブルスはいまヨルダン川西岸地区の他都市と比べても、厳しい封鎖の状況が続いています。石けんの原料や製品の運搬に支障をきたし、注文も「ガリラヤのシンディアナ」以外からはほとんどなく、工場もあまり稼働していないそうです。

    前号の『ぜいとぅーん』でも書きましたがナーブルスでは外国人の立入り禁止も続き、電話で連絡は取れるものの私たちがナーブルスに行くことがとても困難になっています。同じく、1年以上外国人の出入が禁止されているガザ地区では、5月にも南部ラファでイスラエル軍による激しい攻撃と家屋破壊があり、約2000人が家を失いました。目の届かないところ、隠されたところで破壊が進んでいます。ナーブルスも心配です。

  2. お料理コーナー
  3. サマー・ギフトセット
  4. イドナ村訪問記

    4月末に刺繍製品をつくっているイドナ女性組合を訪問し、仕事場を見せてもらいました。まず一言で印象を言うと、彼女らの妥協のない仕事ぶりに感動しました。日本人の水本敏子さんが、7年にもわたって裁縫教室や商品開発などで指導的な役割を果たして育ててきた女性グループで、徐々に力をつけてきた彼女たちは、いまその水本さんが見守る中、自立をしようとしています。その「援助」ではない関係の持ち方の模索にも、学ぶところが大いにありました。

    その日も、いくつかの試作品を前にし、そこに刺繍糸の見本と刺繍のデザイン帳を突き合わせて、この生地にはこのデザインでは合わないとか、型と刺繍のバランスが悪いとか、微妙な色の配置(「赤」一つとっても十種類くらいある)、そして微妙な値段の設定にいたるまで、延々と議論を重ねていました。「この商品が7ドルなら、これは8ドル?」「刺繍面積の差を考えたらそれでは売れない。7.5ドルにしよう」とか。水本さんも言っていました、「彼女らには向上心がある。」

    イドナ村の女性たちのグループは、縫製担当が7人、刺繍担当が20人。その中でも不可欠な役割を果たしているのが、ヌハさんといういちばん若い人で26歳。19歳のときから水本さんが裁縫教室で育て上げた人で、いまでは刺繍のデザイン開発も中心的にやっています。時折、デザインをめぐって、ヌハさんは水本さんと口角泡飛ばすような議論をします。彼女も含めて何人かは英語も熱心に勉強して、海外と直接自分たちだけで取引をできるように準備をしています。

    「それでも長年の関係は、信頼だけでなくて甘えも生む」と水本さんは言います。「だから商品について何か不満があったら、ぜひ彼女らに直接FAXで伝えてほしい。私が言っても聞き流すけど、お客さんからの直接の苦情なら、背筋が伸びるから。」と。この妥協のなさがすごい。日本のNGOでしばしば指摘される問題は、援助する側とされる側という一方的な依存関係をつくってしまうことです。相手に依存をさせることで、NGOとしての存在意義を強める。しかしこれでは、永遠に自立はできません。昨今は「自立的支援」という言葉も広まりつつありますが、言うは易し、行なうは難し。いまは、水本さんが手取り足取りをしないでも地元の女性だけでやっていけるように、そういう地盤整備に力を入れている段階です。

    こうして一生懸命に働いている女性たちですが、自分らだけでは解決できない悩みを抱えています。ここで働いている女性たちの仕事は、それぞれの家庭で唯一の収入源になってしまっています。男性たちは2000年の第二次インティファーダ開始以降は、仕事がありません。外出禁止令が長く続いたり、出稼ぎ先のイスラエルに入国できなかったりして、仕事ができないのです。アラブ世界で夫らは、世間体から言って、自分の妻を外に働きに出すことは恥ずべきことだと思っていますが、しかしこの厳しい現実の中では、妻が刺繍によって得てくる収入なしにはもう生活ができない、という居心地の悪さを抱えているのだそうです。でも、この状況を逆手に取って、女性たちの仕事の価値が認められ、男性たちの意識改革が進めばいいなぁも思います。

    (早尾貴紀)

    サマーギフトに刺繍製品が使われています

    *パレスチナ・オリーブでは、イドナ村の刺繍製品を通常は取り扱っておりません。

  5. ハイファから(2)

    〜ハイファ大在学中の田浪亜央江さんからの報告〜

    身体観・健康観は各人の趣味に属することで同じ人間でも一貫していないのが普通だ。語り出せば切りがないが、少なくとも海外在住中は「健康第一・体力勝負」を至上価値とする、理念上はシンプルな生活スタイルを採ろうとするのはまあ当然だろう。

    そんな私にとっての最大の脅威は、何を隠そうこっちの過剰冷房だ。寒い。暑くなるほど寒い。暑さには強い私は、冬用の靴下や「ババシャツ」を身につけ暑い中を歩き回り、さすがに冷房の効いたバスに乗ればほっとするが、ものの5分と経たないうちに寒くなる。用意した上着やスカーフも総動員する。国営のエイゲッド・バスだけではない。民間のセルビス(ワゴン車を使った乗り合いタクシー。その多くがアラブ人ドライバー)もエアコンを効かせる。どうして!?窓を開ければ気持ちのいい風が入ってくるでしょ、と何度叫びたくなったことか。

    私はかつてシリアで生活していたので、何かにつけてシリアを思い出し、シリアが懐かしくなってしまう。シリアのセルビスには、もちろんエアコンなんかなかった。混雑時の乗り場にセルビスが入って来ると、衆人殺到し誰もが他人を押しやって乗り込もうとする。最後の人間が中に身体を入れきらないうちに車は動きだし、乗れなかった人間を蹴散らかす。夏の熱さは厳しいが、窓から吹き込む埃まみれの風は悪いものではなかった。私の身体感覚に合ってるのはどう考えてもこっちだ。もちろん懐かしさあまっての理想化は、かなりある。

    単に寒いという愚痴ではない。この土地にとって本来不自然な、「侵略者」の文化だから腹立たしいのだ。そういう気分を増長させるのが、サングラスだ。ドライバーも乗客も、ほとんど真っ黒いサングラスをかけている。そりゃ太陽光線から目を守るためには必要だし、私だって使う。でもシリアではサングラス姿の人なんか、ほとんど見なかったことを思い出す(ごくまれに、全身を黒いベールで覆った女性が、目も隠すためにサングラスを使うことはある)。

    そして健康上のもう一つの脅威。こっちが本題だが、タバコである。こちらはアラブ人と同居している私の特殊事情も大きく、「侵略者」文化を恨めない。イスラエルでも近年タバコ規制が厳しくなり、法的整備はEU諸国並み。欧米系ユダヤ人の健康志向も強い。ところがアラブ社会は、伝統的にタバコには寛容で、水タバコは社交の道具として、重要な役割を果たしてきた。イスラエルの喫煙率は、ユダヤ人が28%であるのに対し、アラブ人は48%、という統計がある。それなのにタバコパッケージに書かれている警告文がヘブライ語だけ、というのもおかしな話だ。もともとパレスチナ人の重要な換金作物だったタバコ畑が奪われ、ユダヤ人入植地に変えられていった経緯を思い起こすと、さらに気持ちは複雑になる。

    やっかいなのは、アラブ社会のタバコが男性性の象徴であるのに対し、女性の喫煙には厳しいということだ。むろん地域差はかなりある。前回微妙に触れたが、私のルームメイトは親の前では絶対にタバコを吸わないがヘビースモーカーだ。一方で家にしょっちゅうやって来る彼女の友人たちもみな喫煙者で、タバコがとにかく大きな位置を占めている。時には誰かが「非合法の枯れ枝」を持ち込み、時間をかけて葉を摘み、細かにし、紙で器用に巻いて回し吸いする。女性の喫煙がタブーでさえなければ、ここまでタバコに価値が与えられていないんじゃないか、と思うのは私が非喫煙者だからだろうか。とにかく個人的に困るのは、数人がモクモクやっていると、同席したくても私は煙に耐えられないことだ。

    シリアでも既婚の女性がうまそうにタバコを吸う場面は何度も見たが、独身女性の隠れタバコは不可能だと思う。そもそも親と離れて生活する、ということ自体がほとんどない。となるとこれも、イスラエルのアラブ社会の急速な変化の中での、女性のあり方をめぐる葛藤の中の一コマではある。それを「見せてもらっている」のだと思いつつ、コミュニケーションを遮る紫煙は、やっぱり恨めしい。

  6. 本・ビデオコーナー

    入門編

    ドキュメンタリービデオ(2000年12月〜2001年2月撮影)
    『被占領下パレスチナを訪ねて〜アル=アクサ・インティファーダはなぜ起きたのか』
    撮影・編集:役重善洋 制作:パレスチナの平和を考える会 税込1500円

    中級編

    トム・セゲヴ『エルヴィス・イン・エルサレム--ポストシオニズムとイスラエルのアメリカ化』(脇浜義明訳、つげ書房新社)

    「ユダヤ人だけの国がほしい」という考え方を「シオニズム」と言います。百年の歴史を持つこの近代的国民国家の思想が、パレスチナ問題の根源だと言ってもいい。「ユダヤ人だけ」という純粋性への欲望と幻想が、歴史的なパレスチナの村の破壊や、西岸内部の分離壁建設や、ガリラヤのユダヤ化を推し進めているのですから。そしてこのとき、ユダヤ人とは「敬虔なユダヤ教徒」のことであるとされます。

    それに対し、1990年代、イスラエルの国家原理であるシオニズムに対して批判的な立場から、歴史や社会を見直そうとして起きた新しい学問潮流が「ポストシオニズム」と呼ばれ、著者のセゲヴ自身がその一人であると見られています。シオニズムを批判するということは、「純粋なユダヤ教国家」という理念を、多文化主義的な観点から捉え直すことです。もちろんそこには、これまで無視されてきた追放されたパレスチナ人のことや、イスラエル領に踏みとどまって残ったパレスチナ人のことも視野に入れられてきます。

    ところがセゲヴは、この「新しい」とされる潮流をひっくり返して見せます。いや実は、シオニズムは百年前の最初から、多くの矛盾と破綻を原理的に含んだ運動だったのだ、と。「ユダヤ人」はヨーロッパ各地と中東各地から入ってきており、民族や文化の背景は多様を極め、またシオニストの創始者らは宗教的でなく世俗と宗教が混在していた、というのです。実はシオニズムは最初からポストシオニズム的だったという仕掛け。だからこの本は、そもそもシオニズムとは何なのかを、つまりイスラエルの国家原理は何なのかを教えてくれる本です。

    問題点を二つだけ挙げると、一つは、シオニズムの純粋幻想を批判したはずが、「最初からシオニズムは矛盾だらけの多様体だった」と言うことで、かえって「今の体制のままでイスラエルは多文化主義をやっていけるんだ」という開き直りにつながるのではないか、という点。もう一つは、ヘブライ語・アラビア語の英字転写をことごとく英語読みをしているため、固有名がひじょうに読みにくいこと。さらに内容的な誤訳も散見されます。

    とはいえ、イスラエル国家を、ひいてはパレスチナ問題を理解するうえで、有意義であることは間違いありません。(早尾)

    番外編

    『戦争のつくりかた』りぼん・ぷろじぇくと
    「いままで戦争をしてこなかった国がいつしか戦争のできるしくみを持つようになる、そのようすが淡々と描かれていきます。」(『戦争のつくりかた』紹介文より)

    『茶色の朝』大月書店、フランク・パヴロフ文、ヴィンセント・ギャロ絵
    極右政党が台頭したフランスで出版されベストセラーとなった反ファシズムの寓話の翻訳です。

    いつの間にか、当たり前のように中東に日本の軍隊がいます。ニュースにもなりませんが、イラクだけではなく、1996年からずっとゴラン高原(イスラエルによるシリア占領地)にも駐留しています。2冊ともいま読みたい、広げたい新刊の絵本です。何となく、大きな反対もなく、 日本がどんどん怖い方向に進んでいくことに危機感を抱いている人たちが作っています。(皆川)

投稿日:2004年06月28日(月)
この記事のURL:http://www.paleoli.org/?eid=209