新シーズンのオリーブオイルとザアタルが入荷しました!

背景がわかる良質な商品をお届けします。

パレスチナ・オリーブでは、素材の質や効能はもちろん、
誰が、どんな状況で、どういう方法で作ったものなのかといった製造背景をクリアにしています。
だから安心。だから美味しい。だから、自信を持ってオススメできる商品ばかりです。

生産者パートナーと協力し、ともに生きる
誰もが大切にされる社会を作っていきます。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ北部のガリラヤ地方(1948年からイスラエル領)のオリーブオイルなどの食品、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)ナーブルスのオリーブ石けん、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)イドナ村の刺繍製品を扱っています。

実際に食べて使って納得したものを輸入し、現地を訪問・交流しながら活動しています。

イベント

『ぜいとぅーん』56号 訪問報告:ガリラヤのシンディアナ

『ぜいとぅーん』56号 2015年3月10日発行

1月下旬の2週間、パレスチナの生産者を訪問しました。何の因果か、安部首相と同日にイスラエル、パレスチナ入り。翌日には、エルサレムの旧市街の細い道で、安倍首相と100人の随行員にばったり出くわす、というタイミングでした。

ガリラヤのシンディアナ

 新しいメンバーが加わったり、新しいプロジェクトが始まったりと活気がありました。

 2日間訪問しましたが、ちょうど、パレスチナ・オリーブ向けのザータルやキャロブ・シロップの瓶詰め作業や、他の出荷先へのオリーブオイルの濾過、タンクの洗浄などを行っていました。

メンバー

 コフル・カナ村にあるシンディアナの事務所・倉庫でオリーブオイルのボトル詰めの作業などを行っている女性たちは5人。みな、子どものいるお母さんです。

 今回は、新しく若いメンバーが3人加わっていました。みな、コフル・カナ村に住んでいます。

 ハディールさんは18歳。高校を卒業後、昨年4月から働いています。お父さんは事故による障がいがあって働けず、お母さんは化粧関連の仕事をしています。普通の大学へ行くのは経済的にも厳しいし、交通手段もなく通うのも大変です。いまは通信制の大学生で、保育とマネージメントを専攻、毎週水曜は授業に通っています。英語も話せますので、後述の新しいシンディアナのお店のスタッフ候補でもあります。シンディアナでは給料をしっかりもらえるし、一緒に働いている人たちがいいので、良い仕事だと言っていました。

 シュリーンさんは21歳。以前は村の野菜市場で働いていましたが、仕事はきつく低賃金だったそうです。

 アヤさんは18歳でハディールと同級生。シンディアナで働き始めて2ヶ月です。

 シンディアナで働いて5年になる作業チーフのモナさんは、いま、商品管理マネージャーの学位のために週1回、カレッジに通っています。

*パレスチナの大学進学率

 学校の数が足りずに二部制になっている地域もありますが、基本的にパレスチナでは教育制度は整っています。ガザ地区、ヨルダン川西岸地区では、通信制や短大も含めて、女子・男子とも大学進学率は約50%。高校進学率で8割。若者の識字率はほぼ100%。でも、大学を出ても仕事はありません。

 イスラエル内のパレスチナ地域では事情が異なります。パレスチナ人とユダヤ人は別々の地域、コミュニティで暮らしているため、小学校〜高校は、パレスチナの先生、生徒という環境で、アラビア語で学びます(イスラエル政府の学校であり、ヘブライ語の授業はあります)。しかし、イスラエルにパレスチナ人のための大学はないので、ヘブライ語で入試を受け、ヘブライ語で授業が行われ、ユダヤ系イスラエル人の中でマイノリティーとしてイスラエルの大学で学ぶことになるのです。このため、イスラエル内のパレスチナ人の大学進学率は10%以下です(イスラエル全体の大学進学率は約60%)。

こぼれ話:女子トーク

 休憩時間、ごはん食べたりお茶飲んだりするときの女子トークはいつも楽しいです。「日本語で愛している、ってなんて言うの?」と訊かれたり(使う機会があるのか?!)。

 今回、韓国ドラマが面白くてよく見ている、という話が出ました。数年前までは、トルコのドラマが大流行で、ある友人は「トルコによる文化侵略だ」とまで言っていたのですが。それ以前は、エジプトのドラマが流行っていました。子どもたちは日本のアニメもよく見ています。

ザータル愛♡

 以前にもお会いしていましたが、今回、イルブーン村のザータル生産者、ハビーブ・ナフーレさんの工場と畑を訪問し、ゆっくり話を伺うことができました。

 もともと、村の入り口に小さなスパイスと雑貨のお店を持っていましたが、4,5年前に、しっかりとしたスパイス工場を建てました。スパイスの生産、加工、販売を行っています。最終的に「ザータル」は、シンディアナでミックスされ瓶詰めされていますが、材料の段階でナフーレさんの工場と協力しています。ザータルは、ナフーレさんの借りている畑で作られていますし、ゴマはシンディアナの契約農家さんから買ったものを、ナフーレさんの工場でローストしています。このロースト機械は、ナフーレさんの自家製です。

(ハーブとしてのザータルも、ザータルが他のスパイスと混ぜ合わされたものも、両方「ザータル」と呼ぶのでちょっとややこしいです)

 ナフーレさんは、ザータルが好きで好きでたまらず、だから豊富な知識と愛情で栽培から手をかける。そんなところが、石けん工場のマジュタバさんにも似ていると思いました。しかし、ナフーレさんは代々スパイスを作ってきたわけではないそうです。貧しい家系で農地を持っておらず、15年前までは看護士をしていました。しかし、ザータルが好きで、ザータルを育てるのが夢で、広大な農地(オリーブ林)を借り、オリーブの周囲にザータルを栽培し始めました。現在は、ザータルだけでなく、ひよこ豆、空豆など栽培しています。

ザータルの生育・栽培

 ナフーレさんの畑は、点滴灌漑していて、年に4回収穫できます(灌漑なしでは、年に1回、雨期の終わりである4月始めの収穫だけとなります)。4回の収穫のうち、1月収穫のザータルだけが生でそのまま食べられます。その他の季節に収穫したザータルは、ミックスハーブとしてのザータル向け。

 ナブーレさんの畑では、手で草むしりをし、農薬を使っていませんが、有機認定は取っていません。

 ザータルは、収穫後、葉だけ取り(茎は使わない)、畑の脇にある屋根の付いた作業場で5日間乾燥させます。

 ところで。これまでヨルダンにはシリアのザータルが輸出されていましたが、シリアの「内戦」により、ヨルダン川西岸地区のザータルがヨルダンへ輸出されていて、ヨルダン川西岸地区でもイスラエルでもザータルの価格が上がっているそうです。

*これまでザータルの賞味期限は24ヶ月としていましたが(それで問題ないのですが)一般的な標準に合わせて18ヶ月に変更します。

ビジターセンター

 1年前の生産者訪問について書いた通信53号で、ナザレにもビジターセンターを開こうといま物件を探し中、と書いたのですが、資金面のほか、いくつかの理由でナザレは断念しました。コフル・カナ村のシンディアナの事務所・倉庫の上階が空いたので、オリーブオイルのテイスティングもできるようなお店を開き、観光のツアー客にも寄ってもらえるような場所にしようと、計画中です。スタッフの一人は「白いキャンバスに絵を描くようでワクワクする」と言っていました。

*「カナの奇跡」

 コフル・カナ村は、ナザレから車で10分ほどの場所にあり、クリスチャンとムスリムが暮らすイスラエル領内パレスチナの村です。イエス・キリストが婚礼で水をワインに変えたと言われる場所で3つの有名な教会があり、巡礼・観光のツアー客が絶えません。しかし、ツアー客はナザレのついでにカナの教会に寄り、カナの村は素通りして(レストランに寄ったり、ホテルに泊まったりすることはなく)ティベリアなど次の観光スポットに向かいます。

コフル・カナ村での射殺事件

 11月の初め、コフル・カナ村で、パレスチナ人がイスラエル警察に射殺されるという事件が起きました。親族が逮捕されそうになり、抗議したところ射殺されたそうです。葬儀とともにこれに対するデモが各地で行われ、この抗議行動の中でさらに一人が殺され、未成年者を含む60人以上が逮捕されました。

 シンディアナで働く女性の弟もコフル・カナ村で逮捕されました。彼は14歳。殺された若者は彼の友達で、彼は両親に黙って葬儀に参加したそうです。イスラエル警察に1週間拘束され、その後1ヶ月間コフル・カナ村へ立入禁止の措置となり、ナザレの祖父母の家で過ごしました。学校にも行けませんでしたが、友達が遊びに来てくれたそうです。お姉さんは「そうでなかったら孤独を感じただろう」と言っていました。その後さらに、半年間学校以外のところに出かけるのが禁止となりました(家の外にいられるのは8〜16時だけ)。いま3ヶ月過ぎたところなので、あともう3ヶ月です。

 シンディアナで働く女性たちに「自分の子どもが、デモに行きたい、と言ったらどうする?」と訊いてみました。「デモに参加すること自体は悪いことじゃないけれど、イスラエル警察による逮捕が怖いので、子どもが行くのを止める」と言っていました。でも、子どもたちも親に心配をかけないように黙って参加してしまうのですから、お母さんたちは心配が絶えません。

 

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投稿日:2015年05月23日(土)
この記事のURL:http://paleoli.org/?eid=113